2025年1月16日 (木) 2:54
課税事業者か、免税事業者か
課税事業者になると、事務処理の手間が増える。 インボイス登録してる課税事業者から、 インボイス番号が書かれた領収書をもらって、 それを何かしらの方法で保存して、 消費税の金額を計算して、消費税を払わなければならない。 これが、とにかく面倒臭い。 会計ソフトを、消費税対応のバージョンに、 アップグレードしようと思ったら、 月1500円もかかるらしくてさ。 当分は、課税事業者登録を見送ることにした。 明らかに、月1500円以上のメリットはないからな。 かと言って、自分でエクセルのシートを作って、管理するのは、もっと面倒くさい。 こういうことがあるから、消費税が導入された時に、 年収1000万未満の事業者は、 免税ってことになってたのよ。 ましてや当時は、消費税が3%で、 パソコンが普及していなかったから、 事務処理の手間が大きすぎる。 せめて、青色申告控除みたいに、 インボイス申告控除的なものを作って欲しい。 複式簿記で帳簿をつけるよりも、 消費税を管理する方が、はるかに面倒臭いから。 仮に、年商500万の事業者から、3%の税金を回収しても、年間15万。 15万のために、個人事業主の事務処理の手間を増やすのは、明らかに非効率だから、 1000万未満は、免税になったという経緯がある。 そもそも、消費税は、消費に対する罰として設置された税制ではない。 法人税を払わない企業から、 税金を取るために、始まった制度だ。 日本の会社の99%は、中小企業で、 中小企業の6割近くは、法人税を支払っていない。 なぜ、支払っていないのかというと、 赤字決算で、払う必要がないからだ。 赤字企業から、強制的にお金を払わせるためにできたのが、消費税なのである。 しかし、赤字企業から、むしり取るのは、 税の趣旨から逸脱している。 なぜなら、税には富の再分配という役割もあるからだ。 さらに、消費税は、輸出企業にとって、非常に都合がいい制度だ。 例えば、原価55円で、110円(税込)のものを作って、海外に販売する時。 日本で販売するときは、 仕入れで5円の税金を払い、 売上で10円の税金をもらうから、 10-5=5円の消費税を納めなければならない。 しかし、海外で売る場合、 100円でしか売れないから、5円分マイナスになる。 だから、輸出企業は、5円の還付を受けることができるというのだが… おかしな話だ。 輸出でボロ儲けしてるトヨタには、消費税を還付して、 トヨタの部品を作る下請け企業は、 赤字の状態で、消費税を支払っている。 しかも、その額が、なかなかヤバくて、 国税庁が回収した消費税のうち25%が、 輸出企業に還付されている。 官僚たちは勘違いしているのかもしれないが、 税金とは、みんなが同じ割合で負担するものではなく、 豊かな人から取って、貧しい人に再分配して、 格差を是正するための制度だ。 だから、所得税は、累進課税といって、 稼げば稼ぐほど、負担割合が大きくなる。 今後、消費税が上がれば、優秀なフリーランスは、 海外で仕事を受注することを検討し始めるかもしれない。 実際に、私も、今後の増税に備えて、 海外の会社で、仕事を請け負うことがある。 海外の会社なら、輸出企業と同じく、 インボイスの対象外になる。 YouTuberがインボイスと無関係なのと同じだ。 日本一強のアニメ業界も、 消費税が上がって、事業主の負担が増えれば、 海外のアニメ制作会社に逃げるアニメーターや、声優が出てきたりするんだろうな。 今の日本って、アニメや漫画くらいしか、 戦えるものがないんだよね。 その技術や文化が海外に流れたら、 いよいよ日本は、世界で戦えなくなってしまうだろう。 日本のアニメ文化を守るためにも、せめてインボイスだけは、やめてほしい。