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枢木レイさんのブログ

2025年4月19日 (土) 23:14

青春リセットボタン「教員編」

定時制の生徒は、個性豊かだが、 教師陣も、多様なキャリアを持つ、個性的な教員が多い。 IT企業で、役員クラスにまで上り詰めたが、 日本の未来を支える若者と関わる仕事がしたいと考えて、教員に転職した情報教諭。 ポスドクとして、低収入で働いていたが、 愛する家族を守るために、転職した理科の先生。 私立高校のブラックな環境に嫌気が刺して、 大阪府に転職した国語の先生。 実家がお寺で、宗教学に詳しい社会科の先生。 最初は、気難しそうな先生に見えたが、 彼の倫理の授業は面白く、生徒からも慕われている。 ※高校の倫理では、心理学や哲学、宗教学や社会規範などを学ぶ。 教員生活に情熱を注いできた定年間近の女性教員は、 私同様に、働く女性特有の悩みを抱えた経験があり、仕事の相談に乗ってくれた。 クラス担任だった情報の先生は、 技術職である私と同じような不満を持っていた。 技術者だからと言って、パソコン関係の仕事を何でも押し付けてくるが、 パソコンはあくまで、仕事を効率化させるためのツールにすぎない。 例えば、成績を作るソフトひとつを取っても、 成績の付け方が分からなければ、 システムを作ることができない。 しかし、素人は、パソコンの専門家に任せれば、何でもできると思ってる。 技術職は、何でもできる魔法使いではない。 彼女は、私のことを、高く買っている。 受験先の大学に提出する調査書のコメントには、 「頭脳明晰で、好奇心旺盛。 物事の本質を見抜く能力があり、 自分の考えを、的確に表現することができる。 委員長やクラブの部長を務めるなど、リーダーシップがあり、クラスメイトからの人望が厚い」などと、褒めちぎってくれた。 私は、個性的な経歴を持つ教員の話を聞くのが好きだった。 学校で学べることは、勉強だけではない。 一人の人間として、教員や生徒と向き合うことで、 多様な価値観や生き方に触れることができる。 勉強といえば、その道の学問を極めた人から学ぶものだと考える人が多いが、 高校レベルの勉強は、わざわざ学校に行かなくても、ネットで身につけることができる。 しかし、人の生き様や価値観は、人に触れ合うことでしか学べない。 ゆえに、在学中は、勉強という勉強をしてこなかったが、 様々な価値観に触れた経験は、私の人生観にも大きな影響を与えている。