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枢木レイさんのブログ

2025年1月1日 (水) 18:55

福袋の経済学

中学生の頃、福袋というものに憧れていた。 普段は買えないブランドも、福袋ならお手頃価格で手に入る。 しかし、私のお小遣いでは、ブランド物はおろか、福袋を買う余裕すらもなかった。 福袋は、在庫処理の性質が強い。 特に、アパレルは、季節が外れると、価値がなくなる。 売れない在庫を抱えていても、 保管する場所に支払う家賃がかかるだけ。 在庫は、経理上「資産」になる。 例えば、服を仕入れて、販売する店の場合。 売れた服の原価は、経費として計上できるけど、 売れなかった分は、経費にできない。 最悪、売れなかった商品を廃棄して、 損金として計上してもいいが、 捨てるくらいなら、福袋でも作って、 売り切ってしまったほうがいい。 基本的に、福袋の中身は売れ残りだから、 ろくな商品がないが、これも大きな問題にはならない。 なぜなら、福袋を買う客の層と、 通常商品を買う客の層は、異なるからだ。 通常商品を買う人は、そのブランドを買えるだけの経済的余裕があって、 マジで、そのブランドが好きな人。 逆に、福袋を買う層は、そのブランドを買える余裕はないから、 福袋でお得に買いたいと思ってる人。 …中学時代の私のような客だな。 金はないけど、ブランド物で、承認欲求を満たしたい。 こういう奴は、どうせ金を使わないし、 本当にいい商品を見抜く目も持っていないから、 福袋でハズレを引かせても、売上に大きな影響は与えない。 いざ、大人になって、なんでも好きなものが買えるようになると、 モノに対する欲望は枯渇していた。 大人になった私は、お金を稼ぐために、 苦労が必要であることを悟った。 だから、お金を使うたびに考えるのよ。 目の前の商品は、労働という対価に見合う商品なのかって。 例えば、時給1000円で働く労働者が、 5000円のものを買おうと思ったら、 5時間も働かなければならない。 しかし、私は生粋の怠け者だ。 仕事は好きだが、支払いのために、あくせく働くのは好きじゃない。 というのも、お金に余裕がなければ、 やりたくない仕事や、 割に合わない仕事でも引き受けざるを得なくなるだろ? 昔は、家を買った瞬間に、転勤の事例が出る会社があったとか。 ローンを組んでたら、嫌な場所に行けと言われても、辞められない。 この状態を、帝愛地下帝国の労働者と変わらないと思うのは、私だけか? ※ 帝愛地下帝国=カイジに登場する架空の国。タコ部屋労働を強いられる。 お金を使わない生活をすれば、カイジにならずに済む。 だから、可能な限り、お金を使わない。 福袋なんて、中身がわからんものは、なおさらだ。